一般的な認識との違い
一般的に健康な状態とは何か? と問うた時には当然「病気をしない」というニュアンスが含まれます。決して間違い
ではないのですが、病気や症状にも意味があります。病気と一言で表現しても、そこにある意味は様々です。結局は心身がより健康であろうとする過程で、
病気や症状が表面化する場合も多いのです。
心身が健康な状態とは、その統合的な機能が正常に循環している状態を指します。ですから毒素を解消させるために、
損傷を修復させるために、心身のバランスを保つために、時として病気や何らかの症状が出ます。これら症状は、主観的には発熱や気だるさ、痛みなどの不快な症状を伴うものです。そうやって体
内に毒素や不要物を蓄積させず、損傷も深刻なレベルには至らず、極端に心身の均衡が崩れない状態が、大きな目で見れば健康なのです。
よく病気らしい病気をした事がないという人が心臓疾患や脳溢血などで突然死するケースがありますが、これは健康な人
が突然故障したわけではなく、毒素を溜めすぎてしまった結果、それに潰される形になった結果です。普段からよく風邪気
味になるとか、あちらこちらが痛いと言っているような人は、小まめに毒素を輩出し、損傷部分が修復され、心身の均衡を保っている事になりますので、案外長生き
するものです。
健康を害する三大要素
ストレス、体内毒素の蓄積、冷え、これらが健康を害する三大要素です。ストレスは気を乱し、心身の機能を低下させます。
体内毒素の蓄積は生命活動を低下させ、冷えは循環を悪くしてバランスが崩れます。
またこの3者は別々に存在するのではなく、相互に深い関わり合いを持っています。例えば、ストレスが溜まれば体内毒素の蓄積が
促進され、冷えも助長します。冷えれば排毒機能が衰えて体内毒素が蓄積される結果になり、また脳充血を引き起こしてストレス
を感じ易くなります。
この三大要素を如何に軽快させて行くのかが、日常生活の中で重要な課題になります。
エントロピーの縮小と恒常性の維持
エントロピーの法則というものがあります。系の乱雑さ・無秩序さ・不規則さの度合を表す言葉で、解り易く比喩すると、
部屋がどれくらい散らかっているかといったようなものです。エントロピーが拡大すると言うと、部屋がより乱雑に散らかっ
てしまう事を意味します。逆にエントロピーの縮小は、片付けて綺麗に整頓される事を意味します。
こうした観点から改めて見てみると、エントロピーが少ない秩序ある姿が、健康な状態であると認識できます。例えば食
べ過ぎて胃などに過度な負担がかかっている状況は、エントロピーが増大しているため、健康状態は悪化します。全ての臓
器やホルモンなどが、きちんと統合的に機能している姿が、エントロピーの少ない健康的な状態なのです。治療の大きな目
的は、エントロピーを縮小させ、心身の統合的な機能を回復させる事になります。よく言われる自己治癒力は、心身が統合
的に機能せずには発揮され得ないものであるのは、自明でしょう。
心と身体は、恒常性を維持する方向で働き続けています。つまり常に健康な状態が保たれるように、機能し続けています。
けれどもエントロピーが増大した状態では、恒常性の維持が困難になります。結果として、重篤な病気や症状という形を取ら
ざるを得ない状況に追い込まれます。エントロピーを如何に縮小させ、恒常性の維持をより容易く導いていくかが、心身の健康
を考える上での基本となります。
エネルギー吸収と排出とのバランス
生命は必要なエネルギーを吸収し、不要な物や毒素を排出させる事で維持されます。食物摂取と排泄の例が、最も解り易
いでしょう。酸素を吸収し、二酸化炭素を排出する呼吸も同様です。現代の日本人は、このエネルギー吸収と排出とのバラ
ンスが悪く、心身の健康を損なう結果になっています。正にエントロピーが増大された状態で生きている事になり、それが
様々な病気や症状に結びついているのです。膠原病、自己免疫性疾患、自律神経失調症など、原因や治療法が現代医学で解
明されていない分野でも、この捉え方で説明が出来ます。またそれに基づいた取り組みによって、多くの人達が実際に病状
や症状を良くしていっている事実は、決して見過ごしてはいけません。
心身の良い状態では到底ないけれども、悪環境の中でそれなりに長生きしている。という現代の様子は、現代医学の常識
からすれば大胆な発想かもしれませんが、少しの気づきで改善が可能なのです。
何かに依存している内は、健康とは呼べない
治療を定期的に受けているから体調が良い。これは結果としては結構な事ですが、本当の健康を手に入れているかと言うと、
私は違うと考えています。治療に依存しなければ維持できない状態は、健康であるとは到底評価できません。心身の統合的
な機能が高いレベルで働いている状態が健康なのですから、健康であれば治療は必要ありません。
一義流気功では、最終的には治療に依存しなくても自立的に健康的な生活が送っていけるように導く事を目的としてい
ます。
野口整体、漢方薬、ホメオパシーなど その他の療法
より本質的な認識に基づいた療法も、多数世の中に提唱されています。
野口晴哉氏が創始者となった野口整体は、「健康を保つには外部の力ではなく、内在する力を引き出す事である」と強調し
ています。病気や症状を身体の故障ではなく、良くなっていくための手段として捉えている点が秀逸です。
漢方薬の処方は、症状や病気を表面的に抑えるのではなく、それを引き起こした身体の状態を改善させる事を目的として
います。冷えが原因であったならば、身体を温める漢方薬が処方されます。けれども最近では西洋医学との境界線が曖昧にな
り、対症療法的な漢方薬の処方も見受けられます。名ばかりの漢方薬には気をつけましょう。
ホメオパシーは、ドイツの医師サミュエル・ハーネマンによって確立された医療体系です。同種療法もしくは類似療法と呼ば
れ、症状に対してそれと類似する症状を引き起こすホメオパシー薬を投与します。これが身体への刺激となり、毒素の排出を
促進させる事によって改善させます。
いずれも人間の身体をパーツで捉えるような事はせず、全体として統合的に認識しています。そして多くの実績を残しています。
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